(書評) 日本人が知らないトランプ後の世界を本当に動かす人たち
(著者)増田悦佐
(出版) 徳間書店
図書館で2か月ほど待った新書だが、待つ甲斐があった良書。以下の箇所が秀逸。
(p126からの引用)
「地球温暖化をめぐる論争と新型コロナウイルスがどの程度深刻な疫病なのかという論争には、奇妙なほど共通点が多い。どちらも、論争のあらゆる段階で科学的知見がまだ混沌としている段階なのに、強引に「科学的結論は、どっくに出ている。あとは科学者たちのいうことを信じて、実行あるのみだ」と主張する勢力が、各国政府、国連、大手マスコミ、野党の大半を巻き込んで一切の疑問は批判を受け付けないでいる。
(中略)
地球温暖化にしてもコロナ禍にしても、対策のほうが問題より高いコストがかかるという懸念を払しょくする議論を聞いたことがない。太陽光も太陽熱も風力もタダというのは、とんてもなく小口で起こした電力をかき集めて高圧にして大量送電できる場所に持っていくだけでもすさまじいコストがかかること無視している。」
(所感)
きわめて論理的な分析であり、著者の他の書籍もぜひ読んでみたい。