のんびりキャリア

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(書評)八月十五日に吹く風

(著者)松岡圭祐

(出版) 講談社文庫

 

この8月15日は終戦記念日ではなく、その2年前の1943年8月15日。

アラスカ沖のキスカ島から5200名の日本兵が静かに撤退後、アメリカ軍がその島に上陸した日。アメリカ人は「日本人は玉砕覚悟で島にいるはず。あいつらはおかしい」と覚悟して上陸したが、その時にはすでに日本兵は誰もいなかった。

 

「アラスカ準州の島に日の丸を立てていた」ことを知る人は少ないはず。

 

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全ての日本人が読むべき。自分の子供たちにも読ませたい。

「米国が初めて失った領土のひとつ」から日本人5200人を救出するMission Impossible
現地への電報、救出に使う軍艦の偽装、タイミング、のすべてを計算にいれて作戦を練る。


なぜこういった歴史が日本人の間で語られないのか?が極めて不思議。
これも米国による「日本人による戦争行為の美化を回避したい」という思惑か。

(残念な点)最後の解説の最終頁に「亡国の驕った総理が憲法改正を唱えている。憲法9条を世界遺産に申請しておくべきだった」という偏った意見があり、なんとも後味が悪い。意地悪に考えると「そもそもそういったことを婉曲に伝えたいための本か」と余計なことを考えてしまい、さらに後味が悪い。