書評:トヨタの会議は30分
(著者)山本太平
(出版) すばる舎
(評価) 4点(5点満点中)
図書館で3か月の予約待ちだったが、それなりの読後感。
私が新卒で入社したメーカは「昭和的」な教育方針で、上司から「とにかく会議や無料セミナーにでて議事録をかけ」といわれた。
それを1年続けた結果、「会議のあとは議事録がないと気持ち悪い」体になった。
これは「頭が整理される」ことや「記録に残るので、自分に不利なことは書かない」といった政治的配慮の醸成にも役立った。
ただし、それを20年以上続けた結果、本書の以下の主張にも納得。
1) 「会議ではメモ無し」が暗黙知
2) 相手の顔をみながらしっかり聞いたほうがしっかり理解可能。
3) 人とのコミュニケーションをするうえで「メモを取りながら話を聞く」は不自然。
4) 最初は不安になるが、慣れれば、メモ無しでも問題なくなる。
5) 会議中のノートパソコンでの記録もだめ。これは「仕事をしている気分だけ」。
6) (以前に勤務していたトヨタにて)議論に参加しない・できない人が、他社と視線をあわせないための「逃げ道」として懸命にメモをとっていた記憶がある。
上記6)に関しては、自分にも「痛い」指摘。
以前の勤務先N社は幹部が外国人で、「歯に衣着せぬ発言」がすごかった。
私の未経験の業界であったので「勉強せねば!」という気持ち半分と、「貢献できないので、現実逃避」という気持ちも半分。
ある会議にて大声で外国人幹部に指摘された。
「Hey, XXX-san, お前はいつもメモばっかりとっているけど、それをなにかに使っているのか。この事業のこの問題に関して、お前の意見はなんだ?」